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執筆者の写真利幸 丸吉

Behavioral Economics【行動経済学】




今回の授業は、いつもの授業とは少し異なる趣向の行動経済学を学ばせて頂きました。

先生は、実務としては野村證券でご勤務され、ハーバード大学大学院で経済学のPh.Dを取得、NUCBの研究科長でもある岩澤先生でした。今回学ぶBehavioral Economics は、HBS(ハーバードビジネススクール)でも同様の“Behavioral Economics”コースがあり、そのコースの目的は下記となります。


⚫ 勤務する企業の顧客と従業員の行動を理解すること

⚫ 組織における意思決定を改善し、そのパフォーマンスを向上させること

⚫ 個人的、職業的なネットワークを拡大すること


また、そのための講義のアウトラインとして下記が挙げられます。

⚫ 認知心理学(ヒューリスティクス・バイアス、プロスペクト理論)

⚫ 「システム1」のマネジメント-自分、顧客、上司

⚫ 戦略的意思決定、マーケティング、組織行動


その中で今回は「システム1」と「システム2」について少し述べたいと思います。


まず、システム1とは、直感的判断のことで、「知覚」と同様にすぐに心に思い浮かぶ直感・早い・自動的・労力は不要」である判断力のことです。

システム2とは、理性的判断のことで、「推論・遅い・制御的・労力が必要」な判断力のことを言います。


また、直感的判断(システム1)は、推論(理性的判断、システム2) に比べ、「アクセスが容易(Accessible)」であるため、このシステム1を使って・問題を解決したり、不確実なことがらに対して判断を下す必要があるけれども、そのための明確な手掛かりがない場合に用いる便宜的あるいは発見的な方法 <システム1>により直感的に行われる、これを「ヒューリスティクス」と言います。これに対して「アルゴリズム」があり、それは手順を踏めば厳密な解が得られる方法 であり、それは<システム2>により理性的に行われます。


よって、ヒトのほとんどの判断がシステム1であり、このシステム1をマネジメントすることがより良い意思決定につながります。そのためには学び、経験を続け、全知全能になる。しかしそれは人間には不可能です。

また、人間は与えられたデータが「全て」であると思い込む「バイアス」もかかる可能性があります。


例えば、

利用可能性バイアス …与えられたデータに意識が集中し、与えられていないデータの中に重要なものがあるかもしれないという発想を持つことができない


確証バイアス…データを見る際に、自分の持っている見解(気温は関係ない)という見方と整合的なものを探してしまう。


意思決定において、人間には上記のようなシステムがあり、バイアスがかかる。このような特徴があることを学ぶことで、少しでも「限定された合理性」から「合理的な意思決定」に近づくことができる。


それが「Behavioral Economics」を学ぶ意義であると考えました。

私も今以上に学び、経験をし続け、できるだけ「限定された合理性」から「合理的な意思決定」に近づけていければと思います。


岩澤先生、普段学ぶことのできない、有用な授業をありがとうございました。

研究科長である岩澤先生には今後とも在学中にお世話になること多数であるかと思います。

引き続き様々なことをご教示くださいませ。


どうぞよろしくお願いいたします!

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